こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
前回に続いて、長男Kゴウの歯の生え変わりの様子をご覧いただきつつ、何故歯が生えている途中の歯磨きがとても大切なのか。についてのお話です。
これまでのKゴウ(3年生9歳)の歯の生え変わりの様子については、過去のブログをご覧いただけたら幸いです。
さて、前回の最後に、今月すべての乳歯が抜けて、その後に続く永久歯も、とても綺麗な歯並びとは言えないながら順調に生えそろってきたKゴウの右下に平均的には中学生になる頃に生え始める第二大臼歯(7番)がすでに生え始めてきたことをお伝えしました。(ちなみに、Kゴウの歯の生え変わりは平均と比較してかなり早いケースであることを改めてお知りおきください。)
ご覧いただいている写真の一番奥に少しだけ白く見えているのがこの度生えてきている第二大臼歯(7⏋)です。
歯冠(歯のお口の中に見えている部分、エナメル質に覆われています)の約1/4が見えていて、それ以外の部分はまだ歯肉に覆われています。この状態の時、歯冠を覆っている歯肉は薄く弁状になっているため歯肉弁と呼ばれます。
この状態をご覧いただいて、何故、歯が生えてきている途中の歯磨きがとても大切であるのか。を考えてみてください。
その理由の一つは、皆さまご想像の通り、歯と歯肉弁との間に隙間が生じて、そこに食べかすなどの汚れが入り込む上に、磨きづらい時期が一定期間続いてしまうことです。
さらに、この隙間に汚れがたまって歯肉弁が炎症を起こして腫れてしまったり、間もなく上の第二大臼歯の萌出(歯が生える事)が始まって、歯肉弁を上下の生えてきている途中の奥歯で噛むようになってしまうと、
お子さんは食事をするのも痛くて辛いと訴えたり、歯を噛み合わせる事だけでも痛くて泣きそうになってしまう事があるかもしれません。
その様な症状をお子さんが訴えた時には、すぐに歯科医院を受診しましょう。
少し痛いけど、本人が耐えられるくらいの痛みであれば少しの間様子をみて、歯が歯肉弁を押しのけて生えてくることで自然に症状は改善されると思われますが、食事が出来ないほど、口が閉じられないほどの強い痛みがある場合には、歯冠と歯肉弁との隙間を洗浄して消毒し、炎症を抑えてあげることで症状を緩和してあげる必要があるかもしれません。
場合によっては、麻酔をして歯肉弁を切除してあげることが必要な事もあります。
切除というと大がかりな処置がイメージされて心配になるかもしれませんが、麻酔をすることで痛み無く、邪魔になってしまっている弁の部分を少しだけ切り取るだけで、むしろ痛み無く食事やお口を閉じることができるようになるのでご安心ください。
そのような事から、痛みや腫れもないうちに、丁寧に歯冠と歯肉の間の隙間を磨いておくことが大切であることはお分かりいただけたと思います。
しかし、今回のお話のテーマはもう一つの理由にあります☝️
それは、永久歯は未成熟な状態で生えてくるから。なのです。
今回のタイトルは、「続・歯の生え変わり(幼若永久歯編)」
幼若永久歯とは、生えてきている途中、あるいは生えて間もない永久歯のこと。
永久歯は未成熟な状態で生えてきて、完全に生えた状態でも、まだ歯根は未完成で、歯冠を覆うエナメル質も十分に硬くなっていないのです。生えてきている途中はなおさらですよね。
つまり、先に述べた理由を言い換えると、
歯が生えてきている途中の歯磨きがとても大切な理由は、
幼若永久歯はエナメル質が十分な硬さに成熟しておらず、ムシ歯になるリスクが非常に高いため。
ということになります。
特に6歳臼歯が生えてくる、年長さんから小学校低学年の頃は、まだ自分磨きは十分にできない年齢であり、保護者の方が毎日丁寧に仕上げ磨きをしてあげないと、どうしてもムシ歯のリスクは高まってしまいます。
6歳臼歯が生えてきてから2年くらいが経過する8~9歳頃までは、少なくとも仕上げ磨きを続けてあげてください。
それ以降はお子さんが、自分でも歯磨きの大切さを理解できるようになり、手先も器用になってくるため、定期的に歯科医院でのチェックとお子さん本人に歯磨き指導を受けて頂くことで、ムシ歯のリスクを抑えていくことが可能になってきます。
もちろん永久歯が生えそろうまで、仕上げ磨きをしてあげる事も悪くはありませんが、
これから先、大人になって自分のお口の健康を自分で守っていけるようになってもらう為には、高学年になってきたら言葉で伝えて、自分でしっかり磨く習慣を作らせてあげましょう👍
その頃になると仕上げ磨きをさせてと言っても、素直に横になって口を開いてくれることも難しい年頃になってきますしね😅
きっとそれもお子さんがしっかりと心も成長している証です☝️それはそれで喜びましょう😁