こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
「歳を取ったら食べるたびにものが歯の間に挟まるようになってきた。」
というお悩みをお持ちの方は、少なくありません。
当ブログを読んでいただいている方の中にも、「そうそう!」と共感されている方がいらっしゃるかもしれません。
「歳を取ったら、歯茎が下がって歯の隙間が広くなるから、物は挟まりやすくなるもんなんだよ。」
と、受け入れておられる方も。
実は、「加齢と共に若干の歯肉退縮が起こる」と考えられていた時代は過去の話。
歯肉退縮(歯茎が下がること)は、歯周病はもちろんのこと、長年に渡る軽度の歯肉炎症や、強すぎるブラッシング習慣などが原因になっていると考えられ、健康な歯肉状態を保つことができている場合には、年齢を重ねるだけで歯肉が退縮することは起こりにくい。と考えられています。
「歯肉を健康に保つためには、歯と歯肉の境目を意識してブラッシングを行いましょう。」
と、歯科医院で言われたり、どこかで聞いたり何かで見たこと、読んだことがあるという方も多いと思います。
歯の根元にプラーク(歯垢)が残っていて、歯肉に炎症が生じている方に対して、私も毎日のように歯と歯肉の境目のプラークを除去するためのブラッシングの大切さをお話しする機会があります。
しかし、意識して磨こうとするあまり、歯ブラシを当てる力が入りすぎていたり、長く磨きすぎていることが、歯茎が下がる原因になってしまっている可能性があるんです。
ゴシゴシと歯ブラシを強く当てると、しっかり磨けている感覚が得られて気持ちよくなってしまい、毎回強く当ててしまう癖がついてしまいます。
長年そのような磨き方をした結果、歯肉に炎症は生じていないけれど、歯根の一部が露出してしまうほど歯茎が下がってしまうことにも。
プラーク(歯垢)は、歯ブラシが当たっていないと除去できないのですが、きちんと歯ブラシの毛先が当たっていれば、それほど強い力で磨かなくともしっかりと除去できているものです。
もちろん、プラーク(歯垢)が残ってしまっていて、歯肉に炎症が生じてしまうことは、歯周病の始まりとなるため、歯の付け根を丁寧に磨くことはとても大切です。
しかし、自己流でゴシゴシと磨いてしまっていることが、実は歯茎が下がることにつながり、やがて歳を取ったときに、歯の間が広くなってものが挟まりやすくなっている可能性があることも知っておいて頂けると幸いです。
歳を取ったら食べ物が歯の間に挟まりやすくなってきた。
その原因は、歯磨きの仕方が原因で歯茎が下がってきて歯の根本あたりの隙間が広くなってきたから。というだけではありません。
あくまでもこれは原因の一つであり、その他にも様々な要因が考えられ、それらがいくつも重なって生じている可能性があります。
つまり、歯茎が下がったりしていなくても、年齢を重ねるごとに食べ物が歯の間に挟まりやすくなってくるお口の変化が他にも考えられるということで、
次回は、その辺りについてのお話させて頂きます。
歯の根本を磨くことは大切ですが、力の入れすぎや、時間のかけ過ぎには十分注意しましょう‼️