こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 歯科医の臼井です。
前回に引き続き、「歯を削って詰める治療をします」と言われて口を開いてるけど、実際には何をしているの?
という疑問にお答えします。
前回は、麻酔をどうにか痛くなくするために行なっている工夫についてお話ししました。
今回は、麻酔をしてから4〜5分程経って、麻酔をした部位の頬や顎が腫れているような感覚になってきてからのお話しです。
麻酔が効いている感覚も多々苦手な方も少なくないですが、歯を削る時の痛みが生じる状態は、神経にとっても大きなダメージを与えてしまう可能性があるので、
特に神経近くにまで達してしまったムシ歯を治療する必要がある時には、感覚が苦手でも出来るだけ麻酔を使うことをオススメします☝️
また、削る側としても、いつ痛みが出るかハラハラしながら削る事は、神経に配慮しながら慎重に削る事とはまた違う精神力を発揮する必要があるので、必要な時には麻酔を使わせて頂けると助かります😅
という事で、前回に続いて麻酔の必要性についてお話しをさせて頂いた上で、
しっかりと麻酔が効いたら、ムシ歯に感染してしまった歯質を削ります。
ムシ歯に感染した歯質は柔らかく、脆くなります。そのような歯質(象牙質)を「軟化象牙質」と呼びますが、いわゆる「ムシ歯を削る」というのは、主にこの軟化象牙質を除去している事を指します。
歯を削る時に、多くの方が苦手だと感じるのが、「キュイーン」という音かと思います。
なんであんな音がするのか。
何故みんな苦手なのに、今だに音のする道具を使う必要があるのか。
その辺りについては、
をご覧ください☝️
歯を削る時に、我々が細心の注意を払うのが、神経との距離、位置関係です。
ムシ歯が明らかに神経に達している場合は、根の先に細菌が侵入してしまう事を防ぐためにも、速やかに神経を取る処置に移行する必要があります。
が、ギリギリでも神経を残せる可能性があれば、神経は極力温存して治療を行いたいものです。
何故なら神経を取った歯は、その瞬間から歯の寿命のカウントダウンが始まってしまうからなんです。
そういった根の治療(根管治療)については、また今度詳しくお話しします。
レントゲン写真などで、ムシ歯の深さや神経との距離などを確認したり、削る道具の回転数(スピード)や、刃(バー)の種類を選択しながら、細菌に感染した歯質を染め出す薬を用いるなど、単純に削っているようで、ムシ歯を出来る限り除去しつつ、神経の保護も出来る限り求めながら慎重に削っていきます。
そうして、ムシ歯を取って出来た穴を窩洞(かどう)と言います。
次回は、この窩洞を埋めて修復する方法
①CR充填
②インレー修復
についてお話しします☝️