学校で歯垢染め出し用の錠剤をもらってきたけど❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

毎年6月4日〜10日は、「歯と口の健康習慣」です。

この時期になると、かつては全国の小学校で学校歯科医や歯科衛生士が全校生徒を前に、大きな歯の模型と大きな手作り歯ブラシを使って歯の磨き方をレクチャーする時間がありました。

それと併せて、歯垢染め出しの錠剤を使って、お口の中の磨き残しているプラーク(歯垢)を確認するというイベント?もありました。

染め出し剤を用いて染まったプラークを自分の歯ブラシを使って鏡を見ながら磨いてみることで、普段の自分の歯磨きで磨けていない部分に気がつくことができるいい機会でした。

令和となった今では、お家でやってみるよう染め出し用の錠剤が児童に配られているようです。

その理由については、ちょうど一年前に本ブログでお話しさせていただいてますので、そちらをご参照ください。

「学校でもらってきた歯垢染色剤はやった方がいいの❓」

食物アレルギーがあるお子さんや、他の原因であってもアナフィラキシーショックを経験したことのあるお子さん、就学時前の小さなお子さんなど、不安があれば絶対に使用しなくてはいけない。というものではありませんので、各ご家庭で判断していただくことになります。

今年、3人の子供たちが全員小学生となった臼井家(小6Kゴウ、小3Hカ、小1Sカ)にも3錠の染め出し剤(カラーテスター)が配布されました。

まずは、一度自分磨きをいつもの様にやってみましょう。

自分なりに一生懸命(いつもよりも😅)磨いた後で、錠剤を一粒よく噛み砕いて、お口の中全体に広がるように軽く口をクチュクチュします。

お口の中全体に錠剤の味が行き渡ったら、軽く一回だけうがいをします。

⚠️染め出しの液が服につくとなかなか取れないため、汚れてもいい服装や首元にタオルなどを巻いて、行う様にしましょう⚠️

そして、鏡(手鏡がベスト)を使って、お口の中をよく観察します。

濃くピンク色にしまっている部分が残っているプラークです。

<小1 Sカの場合>

「きれいに磨けてたー」と意気揚々なSカ。

確かに、一見すると全体的にキレイに磨けているように見えます。

が、

ここ❗️下の奥歯の裏側の根元❗️

この辺りは、舌が邪魔をして磨きにくい場所で、特にまだ口が小さく内側に歯ブラシが入るのも苦しくなりがちなSカくらいの年齢のお子さんは、自分ではなかなか磨ききることが困難です。

小さめの歯ブラシの毛先を使って、舌をあまり圧迫しないように仕上げ磨きをしてあげてください。

<小3Hカの場合>

いろんな事を面倒臭がるようになってきたお年頃のHカは、もうちょっとしっかり磨いて欲しいものです。と口うるさい小言を言ってしまいそうになりますが、

実は、生え変わりの真っ最中であるこの頃には、完全に生えている永久歯と、それぞれ出方が異なる生えかけの永久歯、そしてまだ残っている乳歯が混在しているため、自分なりに一生懸命磨いていても、磨き残しが多くなる年頃でもあるのです。

だからこそ、もう少し永久歯が生えそろって、自分磨きも上達する小4〜小5くらいまでは、是非仕上げ磨きをしてあげて欲しいのです。

とはいえ、唇に隠れている歯の根元にプラークが残っている部分が多く、Hカの磨き方は少しだけ口を開けて歯ブラシが当たる部分だけを磨いて終わってしまっている可能性が高い事がわかります。

鏡を見ながら、歯の根元が見えるように口を「ニ〜ッ」としながら一本一本を丁寧に磨くように教えました。

お子さんがお家で染め出しをしてみる時には、お子さん自身が染め出して記録して染まったところを磨き直すだけではなく、保護者の皆さんもお子さんのお口を見せてもらって、最後は仕上げ磨きをしてあげてください。

そうすることで、毎日の仕上げ磨きをする際に、全体を何となく磨き直すのではなく、どの辺りにプラークがつきやすくて、残りやすいのかを把握できて、ポイントを抑えたムシ歯予防としての仕上げ磨きをしてあげることができるようになると思います。

ちなみに小6のKゴウには、自立心を尊重して、「自分でしっかりと磨いていればよろしい。」と言いつつ、時折抜き打ちで歯磨き後のチェックをして、磨き残しがあどこにるのかを教えて、自分で仕上げ磨きをするように伝えています。

アレルギーなどの不安がないようであれば、かつて自分たちが学校でクラスメイトとワイワイ楽しく行っていた染め出しを、ご家庭でもお子さんと楽しみながらやってみてください。

細かい磨き方や、磨き残しの部位を確認することよりも、

口の中の状態や、歯磨きをすることそのものに興味を持ったり、楽しい気分になってくれる事

が、年に一度、この時期に染め出し用の錠剤をもらうことの大きな意義であるのかもしれません。