こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
6月4日〜10日の一週間は「歯と口の健康週間」でした。
それに伴い、小学校でお子さんが「歯垢染色剤(カラーテスター)」を一錠持って帰ってきたというご家庭も多いと思います。
大人の皆さんも自分が小学校の頃に、学校に歯医者さんや衛生士さんがきて、歯磨きの仕方を教えてくれたり、むし歯の怖さを伝える紙芝居を見た記憶のある方もいらっしゃることでしょう。
それと同時に、みんなで銀色の包装に入った赤い錠剤を噛んで真っ赤になったお口の中をお互いに見せ合ってふざけて騒ぎすぎて先生に怒られた経験のある方も、各学校各学年に一定数いたかもしれませんね。
その時に噛んでいた錠剤が、今でも学校で配られている「歯垢染色剤(カラーテスター)」です。
以前は学校で全員揃ってやっていた染め出しですが、全ての学校かどうかは分かりませんが、今では家庭に持ち帰り各自で行うことになっている学校が多いようです。
そうなると、子どもが持って来たけどやってもやらなくてもいいなら、面倒だからやらない。という方もいらっしゃるかもしれません。
では、なぜ以前は全校生徒が揃ってやっていた染め出しを今では、持ち帰りで各自の判断に委ねられる様になったのか調べてみると、
数年前に歯垢染色剤が原因の可能性があるアナフィラキシーショックが報告されたことによる様です。
先ほどの2枚目の写真は、2年生の娘Hカに学校で歯垢染出剤と一緒に配られた、染め出しの仕方についての説明書です。
一番下の四角に囲まれた部分を拡大してよく見てみると、
「本品には、乳、オレンジ由来の成分が含まれます。本品の成分または薬などにより、アレルギー症状を起こしたことがある方は、使用を控えてください。」
と記載されています。
今では、給食も一人ひとりのアレルギーの有無に配慮して配膳される時代になりました。
アレルギー反応、特にアナフィラキシーショックを生じる可能性が0ではない物を、有無を言わさず全員に行うことは当然ながら避けるべきであるということで、各家庭で各自の判断で行う様になったということなのだと思います。
乳製品、オレンジに関わらず、食品や薬品にアレルギーが生じることがわかっているお子さんは使用することは控えましょう。
また、メーカーによって細かな成分は異なるので、心配な方はメーカーのホームページを確認してから判断することが望ましいと思われます。
今のところ、食品や薬品に対するアレルギーの心配が大きくないというお子さんで、定期的にかかりつけの歯医者さんでお口のチェックをしてもらっていない。という場合には、
春の学校歯科検診の結果とあわせて、今回持ち帰った歯垢染色剤を使ってお子さんのお口の汚れの残り具合を確認してみましょう。
思っていたよりも歯の間や付け根に濃く染まる歯垢が残っていることに気がつくと思います。
ポイントは、最初にいつも通り自分で歯を磨いてから染め出しを行いましょう☝️
ということです。
いつも通り磨いた上で、全く色が残っていなければ今の歯磨きを続けていれば問題ありません。
磨いたはずなのに、赤く染まる歯垢が残っているところがむし歯や歯肉炎が生じる危険地帯ということになります。
お子さん自身も色がついて初めて汚れが残っていることを実感できて、より一生懸命歯を磨くきっかけになることや、
思った以上に汚れがついているお子さんのお口を見て、むし歯になってしまう前に歯医者に連れて行こうと保護者のみなさんが思うきっかけになれば、
学校で染色剤を配ってくれている事はとっても意義のあることになるでしょう。
アレルギーには十分配慮しながら、持ち帰った染色剤がまだお家にそのまま置きっぱなしになっているというご家庭では、ぜひ試してみてくださいね。
染色剤は服などに付着すると取れ辛いのと、子供たちはいつもと違うイベント感からテンションが高くなって、思わぬトラブルが生じる可能性もあるので😅
保護者の方が一緒に説明書をしっかり確認して行うようにしましょう。