歯の生え変わり方〜ケースSカ〜(12) 8本目

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

2月の末に7歳になった臼井家3兄妹の末っ子<Hカ>。

誕生日の少し前に、食べる時にグラついて邪魔になってきていた左上B(乳側切歯)を、自分から抜いて欲しいと言ってきました。

もう少しで自然に抜けそうにも見えるので、本当に抜いていいのか聞いてみると、

「誕生日にケーキを美味しく食べたいから今のうちに抜きたい!」との答えが。

なるほど。子供たちにもそれぞれの都合や理由で、「今抜きたい。」「今は抜きたくない。」という思いがあるんだな〜。ということを<Sカ>に教えてもらいました。

 

そこで、今回も本人のリクエストでデンタルフロスをクルッと巻いて、キュッと絞って抜く作戦で。

一瞬チクっとはしますが、<Sカ>にとっては、食べる時に思い切り噛んで美味しく食べることができないストレスが、抜く時のチクッに比べて大きくなった時に、自分から抜いて欲しいと思うようです。

グラグラの乳歯の根元に長めに切ったフロスをクルッと巻いて、糸を結ぶ要領でキュっと。

キュッと。。

キュっと。。。

グラグラにはなっていましたが、まだ一部が歯肉に強めにくっついていてスンナリと取れてはくれませんでした。

一瞬のチクっなら覚悟をしていた<Sカ>でしたが、予想外に中々取れないことに不安になって、「ちょっと待って!」と顔を背けた瞬間に、その勢いで乳歯が抜けてくれました。

結果的に、<Sカ>は自分の力で乳歯を抜いたことになり、抜けたことを知ると「自分で抜いちゃった〜」と大笑い🤣

出血もほとんどなく、その後のご飯から食べやすくなっていつも以上の食欲を発揮していた<Sカ>。

程なくして迎えた7歳の誕生日には、無事念願のバースデーケーキを美味しく食べることができました👍

それから4日後、早くも左上Bの後続永久歯である左上2番(側切歯)の先端が見えてきました。

今回で、上下4本ずつ計8本の前歯が生え変わったことになります。

改めて2ヶ月前に撮ったパノラマレントゲン写真で確認してみると、残りの乳歯である上下左右のC D E の歯根はまだしっかりと残っていることが分かります。

これからしばらくは生え変わりも一休みの時期となり、1年から1年半ほどして一気に生え変わりも最終段階を迎えることになります。

ということで、「歯の生え変わり方〜Sカ編」も第一期は今回で終了となりますが、また生え変わりが再開してきた際には第二期をお届けする予定ではおります。

顎の成長は、遺伝的な要素が大きく影響しますが、やはり、あまり噛まずに飲み込めてしまう柔らかいものばかりを食べる習慣になっていると、一生のうちで最も成長できる時期に顎の成長を促進する刺激が足りず、スペース不足により歯並びが悪くなってしまう可能性もあります。

生え変わりがお休み中の間にも、しっかりと歯応えのあるものを良く噛んで食べるように声をかけ、顎の成長を促していくことで全ての永久歯が生えそろうだけのスペースをお口の中で確保できるように保護者の皆さんも協力してあげてください☝️

その頃になっても、今と同じ様に<Sカ>がお父さんである臼井に対して変わらず協力してくれていることを願ってやみません😅