●ムシ歯のハナシ①は→こちら
こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 歯科医の臼井です。
前回に続いてムシ歯のお話です。
改めて、
ムシ歯とは、
「ムシ歯の原因菌が、糖を分解して出す酸によって歯が溶かされてしまう病気です」
では、ムシ歯にならないためにはどうしたらいいでしょう❓
答えはシンプルです👍
①「ムシ歯の原因菌 」を減らす(増やさない)
②「糖」の摂取回数、摂取量を抑える
③「酸」 にさらされている時間を減らす & 「酸」に強い歯を目指す
その為には、砂糖を食べる機会を減らして、歯磨きをガンバって下さいね💪
「………そんな事分かってるし、頑張ってるんだってば‼️」
「しかも、定期的に歯医者に通ってチェックもしてるのに、ムシ歯が出来てる⁉️」
「なんで❓」
そうなんです。毎日、歯磨きに時間をかけて頑張って、フロスや歯間ブラシも使っていて、定期的にお口のチェックにいらして頂いている方でも、ムシ歯が見つかる事があるんです😢
何故なのか。
その謎を解く為には、そもそもムシ歯がどの様な状況で出来るのかを、少しだけ詳しく理解して頂く事が必要です☝️
そこで、新たなキーワード🗝
「カイスの輪」
どんな「輪」かというと、こちら👇
ムシ歯について、少し詳しく調べてみた事のある方は目にした事があるかもしれません。
1960年にP.H.カイスという人が、この輪を使ってムシ歯の原因について説明したので「カイスの3つの輪」または「カイスの輪」と呼ばれます。
私が歯学部で学び始めたばかりで、ムシ歯についての知識が無かった頃に授業で教わった時に、眠気と戦いながらも😅「ヘェ〜」「なるほど〜」と納得したのを覚えてます😁
「カイスの輪」では、ムシ歯の原因となる大きな3つの要素「細菌」「糖」「宿主要因」が「輪」で表されています。
まずは、「細菌」☝️
実はムシ歯の原因となる細菌は一種類ではありません。
何種類もの細菌によって形成されたバイオフィルムによって引き起こされます。
また新たに出てきたキーワード🗝
バイオフィルム
や、細菌の種類、特徴などについてはまた別の機会に詳しくお話ししますね👌
ここでは「細菌」の数と考えましょう。
次に「糖」✌️
で少し触れましたが、
「糖」をたくさん含む食べ物の方が、少しだけ含む食べ物よりもムシ歯になりやすいかというと、
単純にそうとも言えないんです。
言葉って難しい(面白い)ですが😅
問題になるのは、
食べ物に含まれている「糖」の量ではなく、
口の中に残っている「糖」の量と時間です。
そして、3つ目の「輪」が、「宿主要因」☝️✌️
「宿主要因」というのは、身体側の原因のことで、
一人一人がもつ歯の強さ、唾液の量や質、歯並びなどのこと。
この「宿主要因」を分かりやすく「歯の質」と言い換えて説明される事もありますが、歯だけではなく、唾液の量や質なども重要な要素なので、
ここでは「宿主要因(しゅくしゅよういん)」と、聞きなれない言葉をそのまま使わせて下さい。
(ちょうどいい言い換えを見つけたり、思いついたらこっそり直します😓)
これらの「細菌」「糖」「宿主要因」の3つが大きなムシ歯の原因ということです☝️
と、いうことは、
ムシ歯になるのは、
ムシ歯菌がいるから❓
甘いものが好きだから❓
もともと歯が弱いから❓
答えは…全部当たりで、全部ハズレ😅
ここからが私が学生時代に「カイスの輪」を知って最も「そうなんだ⁉️」と驚いた事でもありますが、
実はムシ歯は…
これらの3つの「輪」が、重なった時にしか出来ないんです😳
つまり、
赤く塗った部分が大きければムシ歯が出来やすい。
小さければムシ歯が出来にくい。
さらに、ずっと気になっていた方もいるかもしれませんが😅
右下にある「時間」という要素🕘
「カイスの輪」には含まれていませんでしたが、
赤く重なった状態が長くなるほどムシ歯になりやすい。という事です。
つまり、
どれか一つでも「輪」(要素)を無くす事が出来ればムシ歯は出来ないという事なんです☝️
「ヘェ〜!」(学生時代の臼井)
…しかし、
残念ながら現実世界では、「輪」を無くす事は出来ません。
全く砂糖を採っていないつもりでも、日々の食事の中で少なからず「糖」を摂取しており、
さらにムシ歯の原因となる「細菌」は、口腔内常在菌と呼ばれる、常にお口の中にいる沢山の細菌が原因です。
また、歯の強さや、唾液の量、歯並びなどは思い通りに変えられるものでもありません。
「じゃあ、結局どうしたらいいの❓」
少しでもムシ歯が出来ないようにする為には、
一つ一つの「輪」の大きさを小さくして、出来る限り、輪の重なりを小さくしていく事☝️
長くなりましたが、それが答えです😄
一つ一つの「輪」を小さくする為に出来る事👇
「細菌」の「輪」を小さくする為には、
●食べカスを取るだけではなく、歯の表面に出来た「プラーク」を取る事を意識して歯磨きをする。
●細菌が最も増殖するのは口が渇いてしまう寝てる間なので、寝る前の歯磨きを習慣にして、丁寧に行う。
などなど
「糖」の「輪」を小さくする為には、
●間食を控える。または間食には「糖」を含まないものを選ぶ。
●「キシリトール」など、甘いけれどもムシ歯の原因にならない代替甘味料のものを選ぶ。
●「糖」がお口の中に残っている時間を出来る限り減らすためにも、歯磨きを丁寧に行う。
などなど
「宿主要因」の「輪」を小さくする為には、
●歯を強くする為に、フッ化物配合の歯磨材を積極的に使って歯磨きをする。
●唾液をしっかり出す為にもよく噛んで食べる。
などなど
それぞれ解決策は、かなり大まかにまとめちゃいましたが😅
その辺りはまた詳しくお話ししますね。
今回は、ムシ歯の原因を探るヒント
「カイスの輪」
について、少しでも記憶に留めておいて頂けたら幸いです😁
以上、「ムシ歯のハナシ②〜カイスの輪〜」でした。
ムシ歯のハナシ①は→こちら