永久歯の数が足りない先天性欠如って❓②

こんにちは、仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

前回に引き続き、1本もしくは何本かの歯が元々作られない先天性欠如についてのお話です。

ここで改めて先天性欠如についてまとめると、

・約10%の割合で発生する。(10人に1人)。

・上より下の歯に多い。右と左で差はない。

・前から2本目(側切歯)、5本目(第二小臼歯)に発生することが多い。

・頻度は低いが乳歯にも生じることがある。

・1本、2本、3本以上など、欠如している本数や部位は一人一人異なる。

・原因ははっきりとは分かっていない。

 (遺伝、赤ちゃんの歯が形成される妊娠中の栄養状態や薬、外傷などの影響、全身疾患に伴うものなどが考えられています)

・治療法や治療の必要性は、欠如している歯の本数や部位、状態によって異なる。

といったことが挙げられます。

親知らずが埋まっているものも含めると、4本ともある方も入れば、1本しかない方や元々1本も作られていない方もいますが、これも先天性欠如の一つであると捉える考え方もあります。

親知らずは、ヒトの顎がどんどん細く進化してきた結果、退化傾向にあるとも考えられており、この先さらに顎が細くなっていくとさらに歯の数が減っていく可能性があり、親知らずの次には側切歯や第二小臼歯が退化していくのかも知れない、と予想されている方もいらっしゃいます。

言い換えれば、ヒトとして進化していくと、退化していく歯が増えていく(歯の本数が減少していく)のかもしれません。

とは言っても、先天性欠如は進化の証!と喜んで断言できるわけではなく、欠如の状態によっては噛み合わせや顎のずれ、むし歯のリスクなど様々なお口のトラブルへとつながる可能性があるので、注意が必要です。

おろしまち歯科医院へ通ってくださっている方の中にも、永久歯の先天性欠如が認められる方も少なくありません。

5本目の第二小臼歯が先天性欠如の場合、一番奥の乳歯であった乳臼歯がそのまま残っていることがあります。むし歯にならずに健全なまま残ってくれている乳臼歯は、意外に長い間出来てこなかった永久歯の代わりを担ってくれることが多いですが、むし歯になっていたり、一度でもむし歯の治療をしたことのある乳臼歯では、残念ながら抜かなくてはいけない状態になってしまうことになる可能性が格段に高くなります。

噛み合わせや、顎のずれが生じてしまっている場合では、矯正治療が必要になることもあり、そのまま放置していると、さらにそこから他の歯に悪影響を及ぼす結果を招く恐れがあります。

また、多数の乳歯や、親知らず以外の永久歯が6本以上先天的に作られていない場合には、全身的に原因を探る必要も考えられます。

 

いずれにしても、早い段階で歯科を受診して状況を把握してもらった上で、経過をみたり必要に応じて治療を行える状態にしておくことが大切です。

むし歯や歯周病の予防だけではなく、歯科を定期的に受診することは健康的な生活を送る上でとてもプラスになることがたくさんあります。

お口のことでお困りな際はもちろん、自分の口の中がどういう状態なのかを知ってみたいといった方も、ぜひお気軽にご相談ください。