奥歯しか噛み合っていない状態は危険❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

お口の中に生じる問題は、むし歯や歯周病だけでなくとても多く挙げられますが、むし歯や歯周病に次いで直接的、間接的に非常にたくさんの問題を引き起こす原因となっているのが、噛み合わせです。

噛み合わせに問題がある状態は、不正咬合と呼ばれていますが、

この不正咬合は原因や状態によって、これまた沢山の種類に分類されます。

 

見た目に上の前歯が突き出している状態、いわゆる出っ歯にも、

・上顎の骨の形が前方に突出している(前突している)タイプ。

・上顎の骨の形は大きく突出していないが、前歯が大きく前方に傾斜しているタイプ。

・上顎の骨や前歯の角度に大きな問題がないが、下顎の大きさが小さいタイプ。

などが挙げられます。

噛み合わせは先天的なものでは、顎の大きさや、形、上下の差、歯の本数、歯並びなどの要因によって決まります。

さらに後天的にも、指しゃぶりや舌の突出癖、詰め物や被せ物などの歯科治療による歯の形態の変化、抜歯による歯の本数の変化、歯軋りなどによって歯のすり減りが生じたり、事故や怪我などによる顎の骨の形の変化や、上下の顎の骨の位置関係のずれなど。

一度決まったらそのまま一生変わらないわけではなく、今現在はその噛み合わせで噛んでいる。と考えることも時には必要となります。

逆に、全ての歯が生まれつき見た目にも機能的にも理想的な状態で噛んでいる。ということもそう多くはないかも知れません。

食べ物を問題なく噛めて、話をする時にも特に困ることなくがなければ、あまり気になることも無いでしょう。

しかし、そんな不正咬合の中でも、そのままにしておくことで様々な問題が生じることが多く、痛みを訴えて歯科を受診される方の中にもその原因となっている可能性が高いと判断されることが多いタイプなのが、

開咬(かいこう、OpenBite:オープンバイト)

です。

上のイラストの様に、奥歯は噛んでいますが、上下の前歯が噛まずに隙間が生じている噛み合わせです。

 

分かりやすい特徴としては、麺類などを前歯で噛み切ることができないという方は、この開咬である可能性があります。

これまでに歯科を受診した経験がある方や、定期的に受診している方は、おそらく以前に指摘をされたことがあるかも知れません。

しかし、あまり歯科を受診したことがなかったり、ご自分のお口の状態を鏡でよく見ることがないという方は、ぜひ一度、ご自身の噛み合わせを鏡を見ながら確認してみてください。

開咬であることで生じるリスクはとても多く、先ほどお話しした前歯で麺類などを噛み切ることができないだけでなく、

・奥歯にかかる負担が大きいため、

奥歯に痛みが生じるリスク。(咬合性外傷)

奥歯にヒビが入ったり、割れてしまうリスク。

・顎関節にも負担がかかるため、顎関節症を生じるリスク。

・前歯が噛んでおらず息が抜けてしまうため、正しい発音ができないリスク。

・全身的な姿勢、バランスが崩れてしまうリスク。

・唇がしっかりと閉鎖しづらく、口呼吸になってしまうリスク。さらに口呼吸であることから生じるう蝕や歯周病のリスク。

etc.

唇をしっかりと閉じることができる場合には、見た目にもあまり気にならず、小さい頃からそのままの状態で放置されている方もいらっしゃるかも知れません。

できれば矯正治療を行なって、噛み合わせを改善することが望ましいですが、

矯正しなければ治らないなら、やっぱりそのままでいいや。と判断せずに、

先ほど挙げた沢山のリスクをそのままにすることで生じる問題について、歯科医院で定期的にチェックと、フォローを受けることをおすすめします!

 

お口のことでお困りの際には、お気軽にご相談ください。