唾液がむし歯から歯を守ってくれる❓①

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

お口の悩みで最も多く、歯医者に行かなきゃ。と思うきっかけになるのが、むし歯(う蝕、カリエス)。

歯磨きをする習慣や、むし歯は予防できるという考えが多くの方々に広まってきたことで、幼少期にむし歯に罹ってしまう方の割合は年々低くなってきています。

厚生労働省の調査のまとめ(「う蝕罹患の現状」医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室)によると、

12歳でむし歯がある人の割合は、平成元年88.3%→平成28年35.5%と大きく減少しています。

これはとても素晴らしいことで、今後もさらに減少するように「むし歯は作らないことができる(予防できる)疾患である」ことをより多くの方に知って頂き、自分だけでなく子供たち、ご家族で予防についての知識を身につけて頂きたいと強く思うところです。

その一つとして、今回は「唾液」が持っている力についてのお話です。

食べ物を柔らかくして消化を助けたり、噛み砕いたものをある程度の塊にして飲み込みやすくしたり、と食事をする時に活躍していることは、ご自分の経験として実感できるわかりやすい「唾液」の働きです。

また、ものを食べていない時にお口の中にある「唾液」には、乾燥を防いでお口の動きを良くすることで、喋りやすくなっていたり、お口の内側の粘膜を保護してくれているなど、食事の時以外にも実はとても大切な働きをしているのです。

そして、そんな「唾液」には、歯をむし歯から守ってくれるとても重要な役割があることを知っておいてください。

1つは、唾液に含まれる酵素や免疫グロブリンによる殺菌・抗菌作用

2つ目が、唾液そのものがお口の中の汚れを洗い流してくれる自浄作用

さらに3つ目として、唾液に含まれるカルシウムイオンやリン酸イオンによる歯の再石灰化作用

そして4つ目、食事などで酸性になったお口の中を中性に戻してくれる緩衝作用

これら4つの「唾液」の働き、それぞれが歯をむし歯になってしまうことから守ってくれる大きな力なのです。

とはいえ、普段の生活で「唾液」を自分の意思で増やしたり減らしたりしている方(できている方)はあまりいないと思います。(世界は広いので、中にはコントロールできるという方もいるのかも知れませんが)

美味しそうなものを見れば自然に出てきてしまうし、緊張すると口が乾いて開きにくくなるし、酸っぱいものを想像するとなんだか頬の辺りがジワッとして勝手に出てきてしまうし。

「唾液」は交感神経と副交感神経からなる自律神経によってコントロールされています。

そんな思う様にならない「唾液」ですが、出したり減らしたりはできなくても、生活の中で意識することで、むし歯の予防に存分に力を発揮してもらうことは可能です。

次回は、そんな想像以上に色々な力を持った「唾液」をむし歯予防に役立てる方法についてお話しします。

↓ イラストを見ながら想像してください。

ほっぺたがジワっとしませんか?