学校の歯科健診でむし歯を指摘されたけど❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

新年度を迎え、お子さん達の各学校でも春の身体測定、健康診断が行われたという学校からの通知を受け取った保護者の方も多い事でしょう。

その中では、学校歯科医による歯科健診も必ず行われ、現在の歯の数やむし歯の有無、かみ合わせやむし歯以外に口腔内の問題が無いかなど、全国どの学校でどの学校歯科医が行っても、同じ内容の項目をチェックします。

学校健康診断を実施する事と、診断の内容については<学校保健安全法>という法律に基づいて実施されているためです。

毎年4~6月の時期に年1回健康診断が行われる(学校保健安全法施行規則第5条)

児童生徒等の健康診断における検査項目(学校保健安全法施行規則第6条)

1 身長及び体重
2 栄養状態
3 脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無
並びに四肢の状態
4 視力及び聴力
5 眼の疾病及び異常の有無
6 耳鼻咽頭疾患及び皮膚疾患の有無
7 歯及び口腔の疾病及び異常の有無
8 結核の有無
9 心臓の疾病及び異常の有無
10 尿
11 その他の疾病及び異常の有無

私、臼井がおろしまち歯科医院を担当させて頂いて丸10年が経ちました。

10年前のあの頃、乳歯が生え始めたばかりだったり、初めて大人の歯が生えてきていた子ども達、生え変わり途中で定期的に来院してくれていた子供たちも10年の間にそれぞれあっという間に成長し、中には成人して社会人になってからも通い続けてくれている方もいらっしゃいます。

そのように、幼少期から定期的にブラッシング指導やフッ化物塗布を行いながらむし歯予防に取り組んでくれている子ども達の中には、頑張ってはいたけれど残念ながら小さなむし歯が出来てしまったという事も0ではありません。

小さな頃は、お口に入るものは全て保護者の方が把握できていたり、毎日必ず仕上げ磨きを行っていたけれど、お子さんが成長するにつれて、親の目の届かないところでおやつを食べることも増えてきたり、仕上げ磨きを嫌がって自分だけで磨くようになったりと、いつまでも大人が完全に管理できるわけではありませんし、お子さん本人の成長を思うとそのような自立心は大いに喜ばしいものです。(親としては口うるさく言ってしまいたくなりますが😅)

むし歯が一本も無い状態から定期的にチェックに来院してくれている子ども達のお口にはむし歯が一本もない状態で、大人になるまで保つことができていることが理想であり、そのために全力を尽くすことが歯科医院の役割であると考えておりますが、さすがに毎日、歯科医院に来院してもらうことができるわけではないため、歯科医院でできることは時々毎日のお家での生活を伺いながら、心配な点をチェックしてアドバイスをしながら歯磨きの仕方をレクチャーしたり、フッ素塗布やシーラント(溝埋め)などで必要と思われるサポートをさせて頂くにとどまります。

だからこそ、来院してくれている子供たちをどうやってむし歯から守っていくことができるのかを、歯科衛生士を中心に日頃から考えて工夫をして一人一人に対して伝え方なども試行錯誤しながら取り組んでいます☝️

それでも、定期的に来院してくれているからこそ、むし歯ができたとしてもごく小さな段階で把握することができることは、とても大きなメリットであると思います。

ごくわずかにむし歯になりかけている状態から、このなりかけのむし歯を進行させないように頑張れるか、逆にすんなりと進行してしまうリスクが現在の生活環境の中に潜んでいるのか、もしこれまで無かったリスクが生じてきているのであれば、それを探し出して改善することができれば、この先大人の歯になった時にむし歯になりにくいお口の環境を整えることにつながるかもしれない。

など、そのお子さんに、今後大きくなってからもむし歯で悩むことのない人生を送ってもらえるようになるには、今どうすることがベストなのかをいつも考えています。

できてしまったむし歯を削って埋めることは難しいことではありません。

しかし、むし歯ができた原因や、できたむし歯の進行状態を考慮せずにすぐに削ってしまうことは、あまり得策とは言えません。

もちろん、一人一人の状況によって判断は異なりますが、その様な理由から、歯科医院で定期的にチェックをしてもらっていても、全ての子ども達がむし歯が一本もない状態であるわけではないのです。

学校歯科健診では、今定期的に歯科を受診しているかどうかを聞かれることはなく、シンプルに健診時にむし歯や口腔内の問題があるか無いかを記録します。

定期的に歯科医院でチェックをしてもらっているお子さんの場合には、次回受診時に健診結果を持参して、かかりつけの歯科医院で把握できているむし歯や経過をみてもらっている問題については、そのままチェックを続けてもらう様にしましょう。

おろしまち歯科医院では、定期的なチェックで来院してくれているお子さんには、その都度お口の状態の記録をお渡ししています。

一番最近のお口の状態の記録で経過をみている軽度のむし歯がある場合には、学校歯科健診の結果でもむし歯があります。と記録される事があります。

今までむし歯が無いと思って歯科を受診していなかったというお子さんの場合には、なるべく早めにお近くの歯科医院を受診することが大切です。

大人と比べて子ども達のむし歯は非常に進行が速いため、目に見えて穴が開いてしまった時には、想像以上に進行している可能性があります。

全ての子ども達が受ける事になっている学校歯科健診がとても大切なのは、普段定期的に歯科を受診することなく、いつの間にかたくさんのむし歯ができていたり、むし歯の進行を放置してしまっていることが無いかを確認する機会が得られることかもしれません。

保護者の皆さんは、お子さんが学校から歯科健診の結果を持って帰ってきたら、しっかりと確認して何か一つでもチェックが入っていたら、放置せずに必ず歯科医院に連れて行ってあげてください。

結果を歯科医院にお持ちいただくと、「歯科を受診しました。」「むし歯の治療をしました。」もしくは、「経過をみることになりました。」という事を記載した上でお返ししますので、学校に提出して頂く事になります。

そういえば、こないだウチの子も持って帰ってきていたな、と思い当たった方は、ぜひご確認ください。