こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
前回から1ヶ月が経過した、臼井家の末っ子Sカ(5歳年長組)の生え変わりレポートです。
今回は久しぶりにお口の中に変化が見られました
前回までの歯の生え方がこちら↓
そして、今回のお口の状態がこちら↓
あまり変わっていないように見えます。
が、奥の方をよく見てみると、
いよいよ生えてきました左右同時に6歳臼歯。
これから生えてくるこの6歳臼歯こと<第一大臼歯>が、歯が並んでいく上でのキーとなり、ものを噛む上でも、体重を支える上でも生涯に渡って中心になって活躍して欲しい歯である一方で、これから生えてくる永久歯群の中で最も虫歯になりやすく、将来失うことになる可能性が最も高い歯でもあるのです。
この「6歳臼歯をどれだけ長く健康に残すことができるか。」ということが、「40〜50年後にどれだけ自分の歯を残すことができているのか。」ということに大きく影響を及ぼすと言っても過言ではありません。
なぜ、6歳臼歯が最も失われやすい永久歯なのか。
その理由は、最も早く生えてくる奥歯であるからです。
今回生えてきているSカもそうであるように、下の前歯が生え変わり始めたり、上の前歯がグラグラしたり抜けたりする頃に同時にいつの間にか頭を出してきていることの多い6歳臼歯。
毎日仕上げ磨きを頑張っている保護者の方でも、定期検診に来たときに指摘されて初めて生えてきていることに気が付く方も少なくありません。
ということは、生えてきているにも関わらず、気づいてもらえないまましばらくの間放置されてしまっている可能性が高く、まして仕上げ磨きをできていないお子さんの場合には、自分で歯磨きをしていても完全に生え切るまでは十分に磨かれないままの状態が続いているということになります。
つまり、生えてきている途中や生えてきた直後にムシ歯になってしまうリスクが非常に高い永久歯なんです。
ただし、6歳臼歯が特別弱い歯なわけではない。ということもお伝えしておきます。
他のどの歯であっても、歯の寿命は初めて虫歯になってしまってからカウントダウンが始まります。特に一度削った段階からそのスピードは一層速まってしまうと考えられています。
では、どうしたら6歳臼歯をムシ歯にしないで残せるのでしょうか?
それは、生えはじめを見逃さず、生えるまでを乗り切って、生えてから2年後までムシ歯から歯を守ることで可能性が高まります。
その間は大体6歳〜8歳。
「仕上げ磨きは何歳まで?」とのご質問に、「出来れば8〜9歳まで」とお答えするのも、まさにこれが理由です。
大人がちゃんと全て永久歯が生えそろっている自分の歯をしっかりと磨くことも簡単ではないのに、
8歳までのお子さんが、乳歯、永久歯が混在するこの時期の全ての歯を自分で磨くことがより難しいことは当然です。
もちろん自分で自分なりに丁寧に磨くことを習慣にすることも大切なので、大いに褒めてあげながら実際に歯を守るためのブラッシングは仕上げ磨きで完成するものと考えておきましょう。
お子さんが自分で磨いているのにムシ歯になったのは、「お子さんの磨き方が悪いからだ」と考えずに「まだ仕上げ磨きが必要な時期なのだ」と考えていただければ幸いです
とはいえ、忙しい中で毎日仕上げ磨きを徹底することもまた、簡単なことではないと思います。
定期的に歯科医院でお口の中を確認してもらうことで、今の生え変わりの状態や磨き残しのリスクが高い部位をチェックして、ポイントを抑えた仕上げ磨きを続けていくことも効果的であると思います。
心配や不安なことも定期検診の際に相談していただけるので、ぜひ歯科医院を活用してくださいね☝️