こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
初めて来院された方にカウンセリングで、これまでの歯科治療で感じたご不安やご不満についてお話を伺うと、
「だいぶ前に一度入れ歯を作ったことがあるけど、痛くて噛めないからそのまま使わなくなっている。」
「他院で入れ歯を作ったけれど、入れるだけで痛みがあって使えないから新しく作って欲しい。」
といったお悩みをお話しいただくことが度々あります。
そのようなお話をされた方に、さらに入れ歯を入れた当時の状況を伺うと、
「入れ歯を新しく作ったけど、痛くて使えないからそのままその歯科医院には通わなくなっちゃった。」
「最後は入れ歯を入れてそのまま治療は終了した。新しい入れ歯が入ればもう少し噛めるようになって、食べられるものも増えると思ってたのにそうならなかったのが残念。」
というようなお話をされることがあります。
新しい入れ歯が入ったら、歯を失ってからしばらくの間食べ辛かった思いから解放されたり、食べたいけど我慢していたものを久し振りに食べられると期待するお気持ちはよくわかります。
しかし、新しい入れ歯ほど使い始めにしっかりと調整を行っておくことが必要なんです。
入れ歯を作る過程では、
残っている歯の本数や状態、噛み合わせ、骨の形や状態、顎の状態、咬む力、歯並びや口を閉じたときの顔の様子、頬や粘膜の形や性状などなど、非常に様々な要素や問題点を踏まえた上で、設計、製作を行っています。
当然、残っている歯が少ないほど入れ歯の果たす役割は大きくなり、考えるべき事も増えていきます。
できる限り最初から痛みなく何でも噛めるようになっていただきたい思いで、そういった様々な要素を考慮して作った入れ歯でも、
実際に使っていただいてみると、少なからずどこかに痛みを感じたり、しっかり噛めなかったり、違和感を感じたりすることがあります。
初めて入れ歯を入れた場合には、お口の中が慣れていないこともありますが、痛みを感じる時に、そのまま頑張って使い続けると、粘膜に傷がついてより痛みが強くなったり、入れていられない程になってしまうことも考えられます。
痛みが生じる原因も、単純に入れ歯が粘膜に強く当たってしまっている場合だけではなく、
噛み合わせのバランスが取れていなかったり、
ものを噛んでみると、入れ歯がわずかに動いてしまっていたり、
クラスプ(残っている歯にかけるバネ)がキツかったり、緩かったりなど、
非常に様々なため、入れ歯が出来上がって完成ではなく、
実際に使ってみて気になるところや、痛みのあるところを調整によって改善し、
「これなら大丈夫」とご自身で感じていただける状態になって初めて入れ歯が完成したと言えます。
出来るだけ少ない回数の調整で、その状態になっていただく事を目指すよう最大限の努力を心がけてはおりますが、
一度入れてみて痛かったからといって使わなくなってしまわずに、どのような時、どのように痛みを感じたのかなど、遠慮することなく歯科医院に相談してみることをお勧めします
作り直しではなく、調整をすることで痛みや違和感を改善することも可能な場合も少なくありません。
そうして一度問題なく使えるようになった入れ歯でも、長く使っていくうちには、時々調整が必要になってくるため、定期的に歯科を受診してチェックしておくことも併せてお勧めします☝️