こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
歯に穴が開いている明らかなムシ歯を治してもらいたくて歯医者に行ったら、虫歯の治療はなかなかされずに、歯石の除去をするクリーニングで何回も行かされた。
これって、余計なことをして来院回数や治療費をできるだけ多くしようとして余計な事をされているんじゃないの❓
ブログのネタ探しも兼ねて、時折、歯科治療に対する疑問や不安が投稿されているサイトなどを覗いてみると、このような質問をされている方が以前から、最近でもいらっしゃいます。
当院に通い始めた方でも、できるだけ早く治療を終えたいと思われる方の中には、同様に思っていらっしゃる方もおられるかもしれません。
そう思われている方がいるとすれば、我々歯科医院側の説明が十分に行われていない、もしくはしっかりと伝わるような話の仕方が出来ていないのかもしれない。と反省させられます。
おそらく、現在ほとんどの歯科医院では治療を行うにあたり、歯石の除去をはじめとする歯周病に対する治療、歯肉の状態の改善を虫歯の治療に先立って、あるいは状態によって、同時進行で行なわれていると思われます。
つまり、先ほどのような疑問をもたれた方が、どの歯科医院に行ってもやはり同じ様に感じたり、思われたりすることでしょう。
では、なぜムシ歯の治療に先立って、歯周病の治療であるブラッシング指導や歯石の除去(スケーリング)、その後、場合によっては麻酔をして歯根表面の清掃(ルートプレーニング)を行う必要があるのでしょう?
それを分かりやすく皆さんにお伝えする際によく用いられるのが、家を建てる時のことを考えているみてください。という例えです。
歯を家(建造物)、歯肉や歯槽骨など歯を支えている歯周組織を家を建てる際の基礎(土台)と考えていただきます。
そうすると、どれだけ丈夫で素晴らしい家を建てても、基礎(土台)の部分に問題があると長く安心して暮らせる家が建ったとは言えないですよね。というお話をします。
もちろん現実には無いでしょう(と思いたいです)が、
理想通りのとっても満足できる家ができたと思っていたら、基礎工事が不十分になっていたために、数年後に大切なお家が倒れてしまった…。
と言う悲劇がお口の中では現実的に起こり得るのです。しかも比較的簡単に。
ん〜、話としてはわかるけど、いまいちピンとこないな〜。
と思われるお気持ちもわかります。基礎工事をしている様子をマジマジと見る機会もこれまでなかったですし、建築について全く知識のない臼井には、理屈ではなんとなく理解できても全ての建物にとって基礎(土台)がどれほど重要であるのかは、なかなか実感できる話ではありません。
分かりやすい例えとして、歯学部時代にも聞いたことがあったり、歯科関連の本でもみられる表現のため用いさせていただいてますが、
このお家の例え話で、ムシ歯の治療に先だって歯周病の治療を行うことが大切なんですよ。
と伝えていることでわかってもらえているはずだと、私が思い込んでいるだけで、皆さんの中には、
何だかよくわからないけど歯医者がそうした方がいいっていうならそうしてくれればいいよ。
と優しく流してくださっているだけかもしれない、という事で、
次回は、例えではなくお口の中の話として、
なんで歯医者ではムシ歯の治療に行ったのに、必ずセットみたいに歯石の除去をされるの❓
という点についてお話しします。