クジラの歯ってどんなの❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

先日、家族で名古屋港水族館に行ってきました。

名古屋港水族館では、イルカやシャチが巨大な水槽で泳いでいるほか、クジラの進化の歴史や生態についても、とても詳しく展示されています。

実はクジラとイルカは、生物学上はどちらも同じ「鯨類」の仲間。

一般的には、だいたい体長4mより大きいものを「クジラ」、小さいものを「イルカ」と呼ぶことが多いそうですが、厳密に大きさで分類されているわけではありません☝️

そして鯨類は、大きく〈ヒゲクジラ〉と〈ハクジラ〉に分けられます。

〈シロナガスクジラ〉や〈ザトウクジラ〉などのヒゲクジラには、私たちのような「歯」がありません。

その代わり、上顎から「ヒゲ板」と呼ばれる板状の組織が並んでいて、大量の海水ごと吸い込んだオキアミや小魚などを、ヒゲ板を使って濾し取って食べています。

シロナガスクジラは体長が30m近くにもなる、地球上最大の動物。

そんな巨大な生物が、オキアミのような小さな生き物を主食にしているということが、昔から不思議でなりませんでした。

しかし近年の研究では、ヒゲクジラがこれまで考えられていた以上に大量の餌を食べていることが分かってきたそうです。

あの巨体を、小さな餌を「とにかく大量に食べる」ことで維持しているわけですね。

納得。

一方、口の中に大きく鋭い歯が並ぶのが〈ハクジラ〉。

〈シャチ〉や〈マッコウクジラ〉のような大型種から、イルカショーで活躍する〈バンドウイルカ〉や〈スナメリ〉など、多くの種類がいます。

一見すると、サメのように鋭く尖った歯が並んでいるので、獲物に噛みついてムシャムシャと噛んで食べているように思います。

ところが――

実はハクジラの歯の主な役割は、

〈捕らえた獲物を逃さないこと〉

なんだそうです☝️

多くのハクジラは、捕らえた魚などを人間のように奥歯ですり潰して咀嚼することなく、そのまま丸飲みにします。

そのため、人間の前歯・犬歯・小臼歯・大臼歯のように役割によって歯の形が違うのではなく、基本的には円錐形のよく似た形の歯が並んでいます。

もちろん種類によって使い方には違いがあり、シャチなどでは大きな獲物を捕らえたり、肉を引き裂いたりするためにも歯を使います。

イルカショーで、飼育員さんからご褒美の魚をもらうイルカを見ていると、確かにムシャムシャ噛んでいる様子はなく、そのままツルンと丸飲みしていますね。

そして、歯科に携わる者として特に面白かったのが、ハクジラの「歯の成長」です。

人間の永久歯は、一度完成してしまえば毎年大きくなっていくことはありません。

一方、ハクジラの歯には年齢とともに成長層が形成され、木の年輪のように、その層を調べることで年齢を推定できる種類もいるそうです。

そして、そんなハクジラの中でも特に巨大な歯を持つのが、先ほど登場した〈マッコウクジラ〉🦷

マッコウクジラの大きな歯は下顎に並んでいて、その数は左右合わせて40〜50本ほど。

上顎にも歯はありますが、通常は歯肉の中に埋まっていて、表にはほとんど出てきません。

あの巨大な頭から想像するような「上下の歯でガシガシ噛んで食べる」という構造ではないんですね。

名古屋港水族館には、クジラの骨格標本や実物大模型などが数多く展示されていて、こうした鯨類の身体のつくりを実際に見ながら学ぶことができます。

また、イルカパフォーマンスが行われるメインプールは、幅60m、奥行き30m、最大水深12mという巨大なもの。

スタンドの階下には大きな水中観察窓があり、水面から大きくジャンプするイルカが、水中深くから勢いをつけて泳いでくる様子まで観察できます。

水面からジャンプする姿を見るのとは、また違った迫力があります。

名古屋港水族館ならではの見どころの一つでした。

動物園や水族館、博物館などを訪れた際には、ぜひ動物たちの「歯」にも注目してみてください。

「何を食べているのか?」
「どうやって捕まえるのか?」
「噛むのか?丸飲みするのか?」

歯を見るだけでも、その動物の暮らし方が見えてきます。

いつもとは少し違った視点で観察してみると、意外な発見や驚きがあっておススメです☝️