みなさんこんにちは😃
仙台市若林区おろしまちにある
おろしまち歯科医院
歯科衛生士の田中です!
最近また本格的に寒くなってきましたね🤧
今回は歯周病と糖尿病についてです!
歯周病は糖尿病と相互に悪い影響を及ぼします。
糖尿病をお持ちの方では歯周病が悪化しやすく、
歯周病があると糖尿病の血糖コントロールが
難しくなることがわかっています。
そして最近の研究では、
歯周病の治療をきちんと行うと血糖値が改善する
ということもわかっています。
●歯周病の原因●
歯周病は、成人が歯を失う最も多い原因です。
日本の40歳以上では半数以上に認められ、
患者の割合は年齢とともに増加します。
歯周病の原因は歯の表面に付着している
「プラーク」、いわゆる磨き残しの歯垢です。
プラークは歯の表面に細菌が被膜を形成し
バリアとなっており、「バイオフィルム」とも
呼ばれます。
このバイオフィルムは薬物の浸透を防ぐため、
水や洗口剤などで口をすすぐだけでは
除去できません。
●歯周病は骨が溶ける(歯槽骨吸収)●
プラークは、主に細菌で構成されていて、
その中には歯周病原菌も含まれます。
歯周病の原因となる歯周病菌は酸素を嫌う菌なので
酸素の少ない歯茎の中に潜り込みます。
「歯周ポケット」の中で増殖することで、
歯茎に炎症を起こしてしまいます。
これを歯肉炎といい、歯茎からの出血であったり
歯肉が腫れたりしてしまいます。
この段階では歯を支えている骨(歯槽骨)の吸収は
見られません。
出血は歯の根元の歯垢(汚れ)を除去することで
出血はおさまります。
進行が進むと、歯周ポケットが深くなり
歯周病菌が歯を支える骨を溶かしていきます。
これを歯周病といいます。
歯は骨(歯槽骨)に支えられているので
支える骨が無くなることによって、
酷い状態ですと最終的には歯が抜けてしまいます。
歯周病は虫歯と違い痛みが無く
自覚症状がありません。
失われた骨(歯槽骨)は完全に戻ることはありません!
●歯周病があるとどうして血糖値がたかくなるの?●
なぜ、歯肉の炎症である歯周病が糖尿病に
関わってくるのでしょうか。
出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、
炎症に関連した化学物質が血管を経由して
体中に放出されています。
中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、
そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と
同じ程度と考えられています。
歯周ポケットの中身は外からは
なかなか見えませんが、
手のひらサイズの出血や膿が治療なしで
放置されていると考えると、
からだ全体からも無視できない問題であることが
理解できると思います。
ポケットから出て血流にのった
炎症関連の化学物質は、
体のなかで血糖値を下げるインスリンを
効きにくくします(インスリン抵抗性)。
そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなります。
●歯周治療で血糖値が下がる!●
最近では歯周病と糖尿病は密接に関連している
と言われており、歯周病の治療をすると
血糖コントロールが改善するという研究成果も
数多く報告されています。
「歯周病の治療」とは、
歯科医院で炎症の原因となっている歯石を
確実に取り除くことです。
また普段の歯磨きもかなり重要です!
そうすることで歯肉の炎症を
コントロールできればインスリン抵抗性が改善し、
血糖コントロールも改善するということが、
日本での研究を含めた多くの臨床研究で
報告されています。
口の中のトラブルがあれば、
すぐに歯科医院を受診しましょう。
治療が必要な病変は早めに発見して
早めに治療することが、
重症化させないために重要なポイントです。
このような症状がある方
・ハブラシの時に出血する
・ 朝起きたときに歯肉に違和感がある
・口臭を指摘された
・歯肉が下がって、歯が長く見えるようになった
・体調が悪くなると歯肉が腫れる
・歯の揺れを感じることがある
上の症状が複数当てはまる方は、
歯周病の可能性があるかも知れません。
一度歯科医院を受診しましょう。
引用元 糖尿病情報センター