歯茎に硬いコブがあるけど大丈夫❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

 

患者さんにお口で不安な事がないか伺った際に、時折聞かれるのが、

歯茎に硬いコブみたいな膨らみがあって、年々それが大きくなってきているように感じるんだけど、取ったほうがいいのかな❓

といったご質問。

お口を拝見すると、

上顎では外側(頬側)

下顎では内側(舌側)に出来ることが多い硬いコブのような膨らみ。

↓ 大きくなるとこの位になる事も

特に痛みもなく、食べづらかったり、話しづらい感じもない事がほとんどです。

 

これは、<骨隆起>(こつりゅうき)と呼ばれる顎の骨そのものが増殖した膨らみです。

 

一見すると、とても不安になる見た目ではありますが、実質は単なる骨の膨らみであるため、病気というわけではありません。

病気ではないので、治療を行う必要もありませんが、歯周病やムシ歯、外傷などにより歯を失って、入れ歯(義歯)を制作して使用することになった場合には、この骨隆起があることで入れ歯(義歯)の形や大きさが制限されて安定しづらくなったり、入れ歯(義歯)が<骨隆起>に当たって痛みが生じやすくなったり、型取りが難しくなることもあります。

原因は、いくつか考えられていますが、噛む力や、歯軋りや食いしばりなどにより過度な力が加わることが刺激になり、骨が過剰に作られる(添加される)ことで膨らんでくると言われています。

実は、あまり変化が無いように思える骨も、皮膚と同様に常に新陳代謝が起こっていて、吸収(骨の破壊)と添加(骨の新生)のバランスが取れていてそう見えているだけなんですね。

皆様のお口を拝見しながら、ヒトの身体は本当に上手くできているな〜、と日頃から感じさせられる身体の反応は沢山ありますが、この<骨隆起>もその一つです。

上顎は外側(頬側)、下顎は内側(舌側)に出来ることが多いとお話ししました。

これは、それぞれ骨隆起のできる側の骨が元々薄く弱い構造になっており、どんどん骨を作って強くなってくれることで、大きな力に耐えられるようになっているとも考えられます。

逆に言えば、元々の骨の厚みや硬さで耐えられる以上に、噛む力や歯軋り、食いしばりが強くなってしまうと生じてくるのが、<骨隆起>ということになります。

先ほど入れ歯(義歯)を作ることになった際に問題になることがあることをお話ししましたが、それ以外では、多くの場合特に問題になることは無いため、<骨隆起>が大きくなってしまった方は、特に歯を失うことが無いように、お口のお手入れと定期的なメンテナンスを心がけていただくことをオススメします☝️

⚠️ただし、お口にできるコブのような膨らみは、<骨隆起>だけとは限らないため、気になる膨らみに気がついた時には、ご自身だけで判断せずに、一度歯科を受診して確認してもらうようにしてくださいね。