飲んでる薬が原因で歯肉が腫れる❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

 

感染予防対策のため、マスクをしたままお話をさせて頂く状況になって早1年。

この一年の間に初めておろしまち歯科医院を受診して頂いた方には、初診時から一連の治療が終わり、定期健診にいらしていただいても、一度も素顔を見せる事がないまま対応をさせて頂いている方もいて、心苦しくはありますが、まだまだ新型コロナウイルスの感染拡大が収束する気配が感じられない現状から、引き続きマスクをしたまま対応させて頂く事となりそうです。

とにもかくにも、一人一人が自分自身が感染しない様に予防する意識だけではなく、自分自身が感染しているかもしれないという意識、たとえ感染していても他人にうつさないようにする配慮と優しさをもって、手洗いうがい、毎日の丁寧な歯磨きを徹底していきましょう☝️

 

さて、今回はお薬と歯肉の腫れについてのお話。

歯周病はプラーク(歯垢)に含まれる細菌が原因となって、歯肉が炎症を起こしたり、重度になると歯を支える歯槽骨が溶かされて、最後には歯が抜ける、もしくは抜かなくてはならない事態につながる恐れのある病気です。

定期的に歯科医院で歯肉の状態をチェックして、ブラッシング指導や歯石の除去(スケーリング)を行う事で、予防したり進行を抑制することが可能です。

当院HPのスタッフブログでも、様々な視点から歯周病についてのお話をさせて頂いておりますので、興味のある方は是非気になった記事を読んでみてください。

→ おろしまち歯科医院<スタッフブログ>

多くの方は、通常の歯周治療で歯肉の炎症は治まり、定期的なメンテナンスにより状態を維持していくことが可能ですが、

いくつかの種類のお薬を服用中の方の場合、歯肉の腫れがなかなか治まらなかったり、炎症による出血が思うように落ち着かない方もいます。

①ニフェジピン

狭心症や高血圧などの治療に用いられているカルシウム拮抗薬。

特に、高血圧症は歯周病を悪化させる恐れがあるため、全身的にも口腔的にも治療を行う事はとても大切といえますが、

その治療のために服用しているお薬にニフェジピンが含まれている場合には副作用により歯肉増殖が生じ、歯肉が腫れることで歯肉ポケット(歯と歯肉の間の溝)が深くなることで、ブラッシングによるプラークの除去が困難になり、歯周病が発症したり、悪化することにつながる可能性があります。

ニフェジピンに限らず、アムロジピン、ジルチアゼムなど様々な他のカルシウム拮抗薬にも発症率の違いはあれど歯肉増殖が生じる可能性はありますが、どれも飲んでいるからといって必ず歯肉が腫れるわけでもありません。

最も発症率が高いニフェジピンで約7%。

それほど多くはありませんが、高血圧で治療中の方に歯周病が併発することが多いため、歯科を受診される方の中ではしばしば見受けられる症状です。

他には、

②フェニトイン(商品名:アレビアチン、ヒダントール)

抗てんかん薬。

③シクロスポリン(商品名:サンディミュン、ネオラール)

免疫抑制剤。

など他のお薬でも歯肉増殖が生じる可能性があります。

でも、

病院で出された薬を飲まないわけにはいかないし、どうしたらいいの❓

お薬の副作用による歯肉の腫れだけであれば、大きな心配はいりません。

問題なのは、腫れた歯肉がさらに炎症を生じたり、炎症が収まらない原因になってしまっている場合です。

ブラッシング時に歯肉のふちから出血があると炎症が生じている証拠です。

スケーリングやブラッシング指導を踏まえた毎日のブラッシングでも炎症が治まらず、そのままでは歯周病が悪化してしまうリスクが高いと判断した時には、我々歯科医から主治医の先生にお薬を替える事が可能かどうか相談します。

自分の判断でお薬をやめる事は避けましょう⚠️

主治医の先生に服用を指示されたお薬はきちんと飲んでくださいね。

また、あらかじめお口の中や歯肉の状態を判断する際のヒントになるため、初診時の問診でも現在服用中のお薬についてお聞きしています。

お薬手帳や現在服用中のお薬の説明書をお持ちいただけると安心です。

新たに飲むようになったお薬があれば、その都度教えて頂けると助かります。