こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 歯科医の臼井です。
根の治療のお話の続き。
今回は「感染根管処置」について☝️
少しおさらいをすると、
ムシ歯の細菌が神経(歯髄)に到達して、感染してしまった神経(歯髄)を除去するのが「抜髄」。
そして、抜髄すべき状態を通り越して、歯の中に侵入した細菌が、根の先(外)にまで達してしまった場合に、歯根の中の感染した部分を取り除き、根の先に入り込んだ細菌を除去するのが「感染根管処置」ということになります。
ここまで感染が進むと、何もしていなくてもズキズキあんなに痛かった痛みが一旦楽になったり、感じなくなるため、治ったと勘違いしてしまう方もいらっしゃいますが………
逆に、事態はかなり悪化していると言えるのです😰
すぐにでも歯科医院でチェックしてもらいましょう☝️
上の2つの図は、簡略的なものですが、2枚目の左の根の先にある黒い楕円で表されているのが、「根尖病巣」。
レントゲン写真で見ると、黒い円形の影に見えるもので、根の先(根尖) で細菌が増殖し、膿が溜まり、その周囲の骨が溶かされている状態です😰
病名は「根尖性歯周炎」
膿が溜まってくると、歯肉が腫れてきて、一度治っていた痛みがまた生じるようになります😣
しかも、歯を噛み合わせることもできないほど強く痛む事も多いので、耐えきれなくて歯科を受診される方がほとんどです。
それでも忙しかったり、なるべく噛まないようにして耐えているうちに、さらに膿が溜まっていくと、歯肉の腫れがニキビの様な白くプクっと膨らんできます。
押すと黄白色の膿が出てくる事もあり、膿を出し切ると一時的に腫れもしぼんで痛みも少し落ち着いたりしますが、これも原因となる根の先の細菌をしっかりと除去しないなと、何度でも腫れを繰り返す可能性があります。
「感染根管処置」で行うことは、「抜髄」とほぼ同じです。
ムシ歯に感染した歯質を出来る限りきれいに取り除きます。
ただし、「抜髄」と異なるのは、よりムシ歯が進行している為、取り除く(削る)必要のある歯質は、早期に治療を行う事ができた場合と比較して、かなり広範囲に及び、歯の形態がほとんど残せない場合も多くあります。
さらに、歯髄だけではなく、根の内側も細菌に汚染されているため、ファイルを使って根の内側を削る操作も、より大きな範囲で行う事が必要です。
つまり、治療が遅くなればなるほど、残せる歯の部分がどんどん少なくなってしまうという事なんです😥
残せる歯が少なくなると、根の治療をして細菌を減らす事ができても、土台を建てたり、被せ物(冠)を支えるだけの強度が保てず、歯そのものを抜く(抜歯)必要が出てきます。
ムシ歯の治療は、出来るだけ早期に行う事が大切であるという事を知っておいて頂けたら嬉しいです☝️