こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
お口に大きな問題がない状態で、定期的に歯科医院を訪れてチェックを受けているという方が年々増えてきている一方で、歯や歯茎に痛みや腫れなどが生じたことをきっかけに歯科を受診する方もたくさんいらっしゃいます。
痛みや苦痛をきっかけに歯科を受診して、それらの問題が解決した後に、そこから定期的に歯科医院でお口のチェックを受ける習慣を作って頂くことができたら、あるいは一度で習慣にならなくとも、たまにはチェックをしておこうと思って頂くことができたら幸いです。
歯の痛みが辛くておろしまち歯科医院を訪れてくださった方に症状を伺うと、「右下あたりのどこかが痛い」や「上か下か分からないけど痛い」といった様に、「この歯が痛い」とはっきりと分からなかったり、
お口の中を確認してみると「この歯が痛い」と言っている部位の一本隣の歯が痛みの原因になっていることが少なくありません。
でも、それが当たり前のことなので、どの歯と自分で特定できなかったり、自分で痛いと思っている歯と原因になっている歯が異なっていても、お気になさらないでくださいね。
特に何もしていなくても、強い痛みが生じている様な場合には、どの歯が痛いのか、この痛みが上の歯なのか下の歯なのか分からなくなることは、身体の仕組みとして起こることがあるんです。
歯の痛みを脳に伝える神経は、それぞれの歯髄から、上顎、下顎それぞれで繋がっているため、近い部位や隣り合っている歯の感覚が同じように感じられることがあります。
さらに、上顎、下顎それぞれから伸びている神経は脳に到達するあたりで合流し、三叉神経という一本の大きな神経となって脳幹に繋がっているのです。
つまり、脳が痛みを感じる段階では、上の歯か下の歯か一体どの歯が痛いのかを判別できなくなっている状態になっていて不思議ではありません。
また、三叉神経から枝分かれした神経は、歯だけではなく舌や顎、額や側頭部の筋肉など顔面の広い範囲に分布しているため、歯の問題が原因で、こめかみのあたりに痛みを感じたり、
逆に、どこかの筋肉に炎症が生じたり筋肉痛が生じていることで、全く問題のない歯の痛みとして感じることもあるのです。
皆さんは、あまり難しく考えずに、ご自分が感じている感覚を、ご自分の言葉でそのまま伝えて頂いて大丈夫です。
そのお話をもとに、さらにお口の中をチェックやレントゲンやポケット測定などの様々な検査を行うことで、問題点がようやく特定できることになります。
「どの歯が痛いのかはっきりと言えなくてすみません。」
なんて言わずに、何でもお話しいただけたら嬉しいです。