アマルガムが入ってるって言われたけど大丈夫❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

残念ながら穴が開くほど大きくむし歯が進行してしまった歯は、削って埋めるという歯の修復治療を行う必要があります。

削って埋める方法には、

・CR充填:削った部分をコンポジットレジン(CR)で埋めて形を整えて光を当てて固める方法。歯に近い色のプラスチックを詰めると表現することもあります。

・インレー修復:削った部分の型をとって、模型上で作ったインレー(詰め物)をセメントで歯にくっつける(合着)。最近はスキャナを使って型をとってその場で機械を使って削り出しでインレーを作ってそのまま歯に装着して終われる方法を行う医院もあります。

・グラスアイオノマーセメント修復:歯に接着する性質を持つセメントで削った穴を埋める方法。

などが多くの歯科医院で多く行われているむし歯の治療法です。

これらの治療の他に、かつて世界中でむし歯治療のスタンダードとして行われていたのが、

アマルガム充填

歯科を受診してお口の中の状態をチェックした際に、

アマルガムが入ってますね。と言われたり、

ネットなどで「アマルガムには水銀が含まれていて金属アレルギーの原因になる可能性があります。」というニュースを見て、あれ自分の歯にも昔アマルガムっていう金属で埋めて治してもらった記憶があるぞ。大丈夫かな❓と不安に思った経験がありませんか?

私たちの世代になると、アマルガム充填を日頃の診療で行ったことのある歯科医はほとんどいないと思われますが、同じく歯科医であった臼井の父の世代では、できるだけ歯を削らないむし歯治療としてポピュラーな治療法であったようです。

小学生くらいの頃に父の診療室で、アマルガム充填に使われる水銀のボトルを誤って落として親が物凄く焦ってこぼれた水銀を処理していたことから、まだ歯科医になろうとも考えていなかった少年時代にありながら、アマルガム充填と水銀とが繋がりと、水銀がいかに取扱注意なものであるのかという事を知った思い出があります。

臼井自身は学生時代に一度だけ充填方法を実習で行ったことはありますが、歯科医になってからはすでに先にあげたCR充填の材料や術式が大きく進歩したこともあり、実際にアマルガム充填を行うことがないまま現在は、保険治療からも除外されました。

100年以上も世界中で行われていた治療法ながら、今では危険性が次々と明らかになっているアマルガム充填。

新たに詰めることはなくとも、以前の治療で歯にアマルガムが入った状態の方は今でも多く見られます。

その方々全てにアレルギー症状が生じたり、水銀中毒の症状が生じたりしているわけではありませんが、今ではアマルガム充填で生じてしまう不安要素を改善できる非金属材料が一般化しているため、あえてアマルガムを残しておくメリットというのはあまりないのかもしれません。

最近は、保険治療における非金属材料の適用拡大が進み、歯並びや噛み合わせの条件は必要ながら、金属を使わない白いインレー( CAD-CAMインレー)も保険治療で行うことができる様になりました。

そういえば、自分の口の中にもアマルガムが入っていたかも。と不安に思った方は一度歯科医院で相談してみることをお勧めします。