こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。
むし歯があると、冷たいものがしみたり、物を噛むと痛んだり。
歯周病が悪化すると、歯茎が腫れたり、歯茎から血が出たり、歯がぐらぐら動いたり。
むし歯が神経まで達すると、何もしなくても激痛が走ったり、歯を噛み合わせることもできないほど痛んだり。
歯ぎしりが強いと、起きてから顎が痛かったり、歯の根元に歯ブラシが当たるとズキンと痛んだり。
噛み合わせに問題があると、部分的に物を噛む時に痛みを感じたり。
様々な症状に、生活がままならなくなってしまう事もあると思います。
この様な辛い症状が生じてしまった際には、原因を特定し、除去する必要があります。
一方で、歯茎が痛んだり、噛み合わせるとズキンと痛みを感じたり、明かに症状があるにも関わらず、お口の中を調べてみてもこれらの様な明確な原因が認められないことがあります。
その様な場合には、大きく削ったりすることは控えて、可能性がある噛み合わせの調整をしたり、鎮痛剤を服用しながら経過をみているうちに、(原因が特定できれば治療を行いますが)特に治療を行っていなくても症状が改善することもあります。
改善するとその後は症状がぶり返すこともなかったり。
なぜ、あれほど痛みがあったのか。何もしていないのに何で痛みは無くなったのか。
不思議に感じることもありましたが、先日、臼井が自分自身の体験から一つの可能性を実感しました。
初めは奥歯のさらに奥の歯茎に痛みを感じたことから、「歯肉に炎症が生じているのかな?」と思い確認してみましたが、特に炎症が生じている様子もなく、親知らずは20年以上も前に抜いた部分でその後も問題はありません。
念の為レントゲン写真を撮ってもらって確認もしてみましたが、特に口腔内に大きな問題は見当たりません。
元々歯ぎしりはだいぶ強いので、「今まで当たっていなかった歯が歯茎に当たるようになってきた?」とも疑ってみましたが、そういうわけでもなさそう。
とにかくいつも以上に丁寧にブラッシングと消毒作用のある含嗽剤を用いてこまめにうがいをしながら様子をみていると、
翌日には首の辺りに痛みを感じ、「おや、何だか嫌な感じがするな〜」と思いながらも、鎮痛剤を飲みながらさらに様子見。
すると、改善するどころか歯茎の痛みが強くなってくると共に、歯を噛み合わせるとズキンと痛みが!?
しかも、どこかの歯だけ痛いわけではなく全部の歯が痛い。となると噛み合わせの問題では無さそう。
痛みはかなり強くて寝ている間に、カチンと歯が当たっただけで痛くて目が覚めるほど。
同時に、全ての歯肉に歯ブラシがちょっと触れるだけでも激痛が・・・。それでも腫れたり出血したりといった炎症の症状はありません。
とにかく痛いだけ。
食事も痛くて噛めないので、ゼリー飲料と栄養ドリンク。お腹はちゃんと空くのがまた困りもの。強制的にわずかながらダイエットになりました。
結果的には、疲れが溜まったせいか、免疫力が低下して久しぶりに扁桃腺がパンパンに腫れて化膿してしまったことが原因だったようで、抗生剤と抗炎症薬で体調が戻ってくると共に、あんなに痛かった歯と歯茎の痛みも全く無くなりました。
ということで、特にお口の中に、明かな問題がなくても、体調が悪くなった時には、特に免疫力が低下している時には一時的に、歯や歯肉にも強い痛みが生じることがあるということを身をもって確認しました。
おそらく、出血や腫れはなくとも、歯肉と噛む力を感知する歯根膜に炎症が生じていたのかと思います。
お口の中に強い痛みを感じたり、違和感が強い場合には、とにかく歯科医院で確認してもらいましょう。
そこで大きな問題がないということになったら、全身的な問題が生じている可能性があります。
そのような時には、歯科で問題がなかったから大丈夫と考えずに、内科なども受診してみることも必要な場合がありますので、ご注意くださいね。