なんでよく噛んで食べた方がいいの❓②

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 臼井です。

前回は、食事の時に歯や舌、頬粘膜や唇などお口の周辺で感じる感覚によって刺激される脳の領域は、手を使うときと同じくらいあるため、良く噛んで食べることは脳を活性化する事になるということを、

ベンフィールドのホムンクルス

を挙げてお話しました。

「丸飲みしてると頭に良くないよ!」

というよりは、「よく噛んで食べると頭に良いんだよ」

と大人が言っていた事は本当だったというお話しでした。

脳を刺激すること以外にも、良く噛んで食べる方がいい理由があります。

 

②良く噛んで食べることで、満腹中枢が刺激され食べ過ぎを防ぐ

「よく噛んで食べないと太りやすくなるよ!」

と言われたこと、聞いたことがありますか?

これもよく噛んで食べないと太りやすくなるというより、よく噛んで食べると太りにくくなるよ。という方が正しいかも知れません。

脳内の満腹物質(=一定量を超えて分泌されると、満腹だと脳が判断する物質)に神経ヒスタミンというものがあります。

神経ヒスタミンの役割は、

1)脳の覚醒レベルを刺激する

つまり、目が覚めるということ。だから花粉症等のアレルギーを抑える抗ヒスタミン剤を服用すると、逆に眠気が出るんですね。

2)満腹中枢を刺激して、満腹感を増強する

この働きがあるため、脳内で神経ヒスタミンが増えれば、人は満腹感を感じるようになる。ということになります。

そして、

咀嚼(=ものを噛むこと)を司っている脳の一部分に神経ヒスタミンを受け取る細胞が存在するため、よく噛むことで、脳内ヒスタミンが増えるため満腹感を感じやすくなるわけです。

 

③良く噛んで食べることで、食事の際の消費エネルギーが増加する

食事をすることは、もちろんエネルギーを摂取するための行動ですが、実は食事をすること自体には少なからずエネルギーを消費しています。

当然、よく噛んで食べる方が消費するエネルギーが大きいことは想像しやすいですよね。

一回噛むことで消費するエネルギーはわずかではありますが(そうでないととても毎日3回食事をすることが辛くなってしまいます^^;)、毎日の食事を毎食1口30回噛んで食べるようにすると、消費できるエネルギー量は意外と積み重なっていることになります。

つまり、その分太りにくくもなるということです。

農林水産省のホームページにも、分かりやすく解説されていたので、以下のリンクから読んでみてくださいね。

→農林水産省HP(よく噛んで、食べ過ぎを防ごう)

 

「よく噛んで食べなさい!」

「丸飲みしてると頭に良くないよ!」

「よく噛まないと太りやすくなるよ!」

 

なんでよく噛んで食べた方がいいの?

 

これまでのお話しで小さい頃から言われたり、聞いたことのある先のようなセリフが、実は本当のことだったということが分かっていただけていたら嬉しいです。

自分がよく噛んで食べるだけではなく、小さなお子さん達の食育を考える上で、とても大切なことなので、

次回も、もう少しだけよく噛んで食べることがどのように良いことなのかについて、お話しさせてください。