くさび状欠損って❓

こんにちは。仙台市若林区おろしまち歯科医院 歯科医の臼井です。

 

2018年、今年もよろしくお願い申し上げます。

 

歯が痛い、冷たいものがしみるといった症状がある場合、その原因が実はムシ歯ではないこともあります☝️

 

今回のお話は、くさび状欠損(楔状欠損) について。

 

くさび状欠損は、

ムシ歯ではないのに、歯の根元がすり減ってしまう疾患です。

 

くさび(楔)というのは、     👈この様な形の、木や金属の道具。

冷たいものがしみるなぁ。と感じたり、歯磨きの時に、ブラシが歯の根元に触れたらチクっと鋭い痛みを感じたりするようなら、

鏡でその歯の根元をよーく見てみて下さい👀

 

歯の根元、歯茎との境目がくさびの様に、 と削れていませんか?

冷たいものがしみたり、歯ブラシで触れるとチクッと痛むので、ムシ歯かな?と思って、研磨剤を含んだ歯磨きペーストを使って念入りに一生懸命磨き過ぎてしまうと………

 

どんどんすり減って、くさびの形が大きくなっていきます。

神経の生きている歯の場合、すり減りが進むほどにしみ方や、痛みも強くなる事も。

 

 

くさび状欠損が生じる原因は様々考えられていますが、大きな要因の一つは、噛む力💪

 

どの歯でも構造上、噛む力は歯の根元のくびれた辺りに集中しやすく、

重度の歯ぎしりや食いしばり、噛み合わせのバランスなどによって、常に強い力が加わっている歯では、根元の元々薄くなっている部分のエナメル質の一部が欠けて、内側の象牙質が露出してしまったり、

 

エナメル質は硬いけれど、象牙質は柔らかい。

 

この違いから、硬いエナメル質を磨くのと同じ力、磨き方でエナメル質の失われた根元の部分を磨き続けていると………

 

徐々に歯の付け根がすり減ってきて、少しずつが深く…さらに深く……。

 

これが、くさび状欠損の生じる一つの原因です。

 

同じ様に歯の根元で象牙質が露出してしまう原因として、歯周病などが進行してしまい、歯肉が下がって(退縮して)しまう事で、歯根の一部が露出する事でも、くさび状欠損が生じてしまうことも。

 

あまりに進行してしまうと、神経に達してしまう恐れも…。

 

くさび状欠損が生じる事を防ぐためには、歯ぎしり、食いしばりを無くして、歯根が露出しないように、歯肉の状態を健康に保つこと☝️

 

が出来たら、簡単な話なのですが、歯ぎしりや食いしばりは、自分でも気がつかないうちに無意識に行ってしまうもの。

また、歯周病予防の意識が高く、歯医者さんで言われた通り、歯と歯茎の境目を一生懸命磨いている方ほど、頑張り過ぎて、ムシ歯や歯周病に関しては全く心配ないものの、くさび状欠損が生じてしまっているケースも見られます😓

 

寝ている間の歯ぎしりはストレスが原因となる面も小さくないそうですが、こちらもなくせるものなら、誰でもそうしてますよね。コントロールは難しいところ。

 

そこで、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりによって、歯に過度の力が加わる事を防ぐナイトガードを使って頂く事も有効です。

歯ぎしり防止用のマウスピースと呼ばれる事も多いあれです。

歯ぎしり自体を無くせるわけではありませんが、歯ぎしりによって歯がすり減ったり、くさび状欠損を生じる様な力の負担から歯を守ることが出来ます。

 

ちなみに、明らかに歯ぎしりによる歯のすり減りなどがみられる場合、このナイトガードは歯ぎしりに対する治療として用いられるので保険診療で作ることができます。

 

磨き過ぎによる歯肉退縮や、くさび状欠損の進行を防ぐには、研磨剤の強いペーストの使用を控えたり、電動ブラシなどは歯の根元に当て過ぎないなど、ご自身のブラッシングの仕方を確認してみることが必要です。

 

歯磨きの仕方は、磨く部位だけではなくブラシの当て方や、力加減など文字では、伝わりづらい点も大切なポイントです。

 

心配な方は、いつもお使いの歯ブラシを持って歯科医院に相談してみる事をお勧めします❗️